脳内神経伝達物質「セロトニン」のお話

こころの病気と「セロトニン」について 

こころの病気について調べてみると、「セロトニン」という物質と深く関係していることがわかります。     セロトニンとは『ノルアドレナリン』や『ドーパミン』と並んで、体内で特に重要な役割を果たしている三大神経伝達物質の一つです。                 セロトニンは人間の精神面に大きな影響与え、心身の安定や心の安らぎなどにも関与することから、オキシトシンとともに『幸せホルモン』とも呼ばれます。                        セロトニンが不足すると、うつ病や不眠症などの精神疾患に陥りやすいと言われています。

脳内「セロトニン」を作るセロトニン神経は、最も古い脳と言われる脳幹にあります。    セロトニン神経で作られた「セロトニン」は、脳の広範囲、及び、脊髄に分泌されて、様々な生命活動に影響を与えています。

人間は「セロトニン」君なしでは、生きていけません

働きその1 「セロトニン」は昼間に分泌します!

「セロトニン」は、朝になり目が覚めると分泌が始まり、夜になり就寝すると分泌が減少します。  したがって、昼間の「セロトニン」分泌が少ないと、朝になり目が覚めても交感神経へのシフトができずにスッキリ目覚めません。                                 また、筋緊張の低下により姿勢が悪くなり表情にもしまりが無くなります。

「セロトニン」は、昼間の活動に適するように自律神経を調節します。              例えば、呼吸筋・咀嚼筋・抗重力筋・表情筋に緊張を与え、昼間の活動を調節します。

「セロトニン」分泌が低下すると・・・
 

働きその2 「セロトニン」は、睡眠リズムを整えます

「セロトニン」は、睡眠・覚醒のサーカディアンリズムを整えます。

「セロトニン」不足は睡眠障害の原因になります

◎体内時計とサーカディアンリズム

人間には、生体リズムと呼ばれる、身体のリズムを整えるための体内時計が備わっています。    生体リズムは、月経周期をつかさどったり、心拍や呼吸のリズムや睡眠のリズムを整えるなど、様々な役割を担っています。                                    このため、生体リズムには、1分単位で刻まれるものから1年単位で刻まれるものまで、様々なリズムが存在しています。                                     中でも、1日24時間の周期のことを、サーカディアンリズム(概日リズム)と呼んでいます。   これらの体内時計が作り出される中枢は、脳の視床下部にある、視交叉上核(しこうさじょうかく)と呼ばれる場所に存在しています。

働きその3 「セロトニン」は、辛い痛みを抑制します

「セロトニン」は、下行性の疼痛抑制により慢性的な辛い痛みの伝達を抑制します。        従って、「セロトニン」の分泌が少ないと、痛みに敏感となり、痛みが増強し持続することになります。

「セロトニン」不足は、痛みが増強・悪化しやすくなります

痛みを抑える生理機構  下降性疼痛抑制系      楽楽痛み研究会のHPから抜粋

慢性疼痛に対処するために人間に備わった痛みの防御機構ともいうべき生理機能については、現在大きく分けて以下の3種類の疼痛抑制機構があるといわれています。

一つ目は「脳内モルヒネ」を介する機構、二つ目は「下降性疼痛抑制系」三つ目が「DNIC 広汎性侵害抑制調節」などがあります。今回は、二番目の神経伝達物質「セロトニン」を介したもので、 『下行性疼痛抑制系』の説明をします。

『下行性疼痛抑制系』 の抑制性ニューロンは、痛み信号を一次侵害受容ニューロンと二次侵害受容ニューロンのシナプス伝達を抑制するために、脊髄後角へノルアドレナリンとセロトニンという二つの伝達物質を放出します。

 シナプスで痛み情報が二次侵害受容ニューロンに伝わらないようにして、痛みを和らげるものです。

 それぞれの伝達物質が放出される神経経路を、ノルアドレナリン系、セロトニン系と呼んでいます。ノルアドレナリン系、セロトニン系ともに、脳幹の中脳から始まります。

 原因不明といわれている持続する疼痛(慢性疼痛)は、下行性疼痛抑制機構の低下とストレスに対する抵抗性の低下が一要因起因と考えられます。

 慢性疼痛は痛みを感じる末梢の受容器レベルや疼痛の伝達レベル、大脳での認知レベルなどあらゆるレベルでの異常から、その疼痛が発生していると考えられ、治療には下行性疼痛抑制系が利用されています。下行性疼痛抑制系はセロトニン神経に属します。脳内セロトニン、βエンドルフィンが関わります。

しかし、最近では下行性疼痛抑制系の異常が原因であると考えられてきました。また下行性疼痛抑制系に重要な働きをするセロトニンが減少していることが分かっています。

 慢性疼痛は痛みを感じる末梢の受容器レベルや疼痛の伝達レベル、大脳での認知レベルなどあらゆるレベルでの異常から、その疼痛が発生していると考えられます。

働きその4 「セロトニン」は不安感・恐怖感をコントロールします

「セロトニン」の分泌が少ないと、不安感・恐怖感が必要以上に亢進して、様々な不安障害を引き起こします。

「セロトニン」が不足すると、不安感・恐怖感が強くなります

働きその5 「セロトニン」は欲望や舞い上がる感情を調整します

「セロトニン」の分泌が少ないと、欲望や舞い上がる感情のコントロールが出来なくなり、イライラしやすくなったり、キレやすくなったりします。                         また、依存症にもなりやすくなります。

「セロトニン」不足は、キレやすくなります

働きその6 「セロトニン」は、脳からストレスを消します

「セロトニン」の分泌が少ないと、脳がストレスを感じやすくなります。             そうすると、ストレスホルモンがさらに「セロトニン」を減少させます。             その結果、感情障害(うつ病)を引き起こしやすくなります。                   また、様々な「ストレス関連疾患」を引き起こします。

「セロトニン」は、ストレスを消します

ストレス関連疾患=心身症

「セロトニン」の分泌が減少し「ストレスが蓄積」すると、様々な「心身症」が現れます。    「心身症」は、医療機関に行っても原因が分からなかったり何度も再発したりします。

「セロトニン」不足は、色々な心身症と関連があります

心身症は、その発症や経過に、“社会心理的ストレス”が密接に関与し、器質的ないし機能的障害が認められる病態です。(日本心身医学会)                             つまり、ストレスが蓄積されたために体に疾患(病態)が現れた状態が「心身症」です。

働きその7 「セロトニン」は、“こころ”と“からだ”のバランスを安定させる

「セロトニン」の重要な働きのまとめです。                          セロトニンは、脳に蓄積した「ストレス」を追い出し、“こころ”と“からだ”のバランスを安定させます。

心と身体のバランスを保つ「セロトニン」

脳内「セロトニン」が減少する生活環境

「セロトニン」が減少する要因

セロトニンが減少する要因                                  ・幼少期のストレス体験                                  ・夜型の生活になり、朝の太陽を浴びない生活環境                      ・社会環境が便利になり、歩行運動などのリズム性運動が減少している生活環境

脳内「セロトニン」の増やし方

毎日の生活習慣を見直してみましょう

脳内「セロトニン」減少と「ストレス」の関係

脳内「セロトニン」が減少すると、「ストレス」を感じやすくなります。             その結果、ストレス反応で自律神経のバランスが異常になったり、ストレスホルモンにより様々な障害が現れたりします。

セロトニンとストレスの関係

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