いつまでも若々しく、いきいきとした人生を送るためには、心身の「健康」が欠かせない条件です。 しかし、暮らしを取り巻く環境を見渡すとき、便利で快適になった私たちの生活には、ストレス、運動不足、飽食、大気汚染、アレルギー疾患など「健康」に関する不安材料がたくさんあります。
健やかな毎日を送るために、私たちは様々な健康法と取り組んでいますが、その大半は自然を取り戻し、身体本来の活力を呼び戻そうという方向に進んでいるように思います。そんななかで、 漢方医学が大きな脚光を浴びています。
少し古いですが、中医師の路京華先生が1993年から読売新聞日曜版に連載の「漢方漫歩」も好評で2年半以上の連載をしております。 今回はその中から選りすぐった中国漢方の紹介をしています。内容をさらに理解しやすくするため、ポイントを漫画化しました。西洋医学とは違う理論体系を持った中医学では、風邪という病気一つとっても、「カゼという診断名に対しては、この薬」といったような対応の仕方はしません。 多年の経験を積んだ専門家が、おお客様の体質や性格、生活環境までも考慮に入れながら総合的に判断し薬を選びます。
その理論を、この冊子の中で全てご紹介することは到底できませんが、基本中の基本とも言える考え方を各所に織り込んでみました。こうした考え方を身につけることによって、中医学をより効果的に活用することができるはずです。
読売新聞日曜版連載「漢方漫歩」 路 京華著