漢方薬には動物性生薬を使った処方がいくつもあります。そして、漢方薬の中で補腎薬に使われる生薬を「血肉有情の品(けつにくうじょうのしな)」と呼んでいます。 これは素晴らしい効き目と畏敬の念と込めて、このように呼ばれていると言われています。
動物性生薬の中には、ワシントン条約(絶滅の恐れがある野生動植物の種の国際取引に関する条約)の制限に引っかかる生薬もございます。このような貴重な動物性生薬を先人達は、高貴な方に使っていました。
その中で、牛黄(ごおう)、麝香(じゃこう)、鹿茸(ろくじょう)などは高貴薬(こうきやく)と呼ばれています。 高貴薬はどのような意味があるかというと、非常に高価であって、手に入れにくい生薬ということができます。また、2000年前の書物『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』に、これらの高貴薬は記載されています。 そして、今でも高貴薬として使われ続けているという事実が、これら生薬の何物にも代えがたいものであるということです。 ここではそれら高貴薬についてお話ししたいと思います。