羚羊角(れいようかく)について

脳の働きを良くする代表生薬             「羚羊角(れいようかく)」ウシ科サイガレイヨウの角を粉末にしたもので、ケラチン(角質タンパク)、リン酸カルシウムなどを含みます。                中国最古の薬物書『神農本草経』に収載しており、鎮静作用、血圧降下作用、抗炎症作用、解熱作用の他、NGF産生促進作用が認められています。           この羚羊角の薬効は「涼肝熄風(りょうかんそくふう)」「瀉火明目(しゃかめいもく)」「散血解毒(さんけつげどく)」の三つが挙げられています。          どのような症状に使うかというと、高熱が出て筋肉が痙攣したり、意識障害になったり皮下出血を起こすものに用いられます。                             日本ではインフルエンザの時の高熱やのどの痛みに使う、涼解楽や天津感冒片に、この羚羊角が配合されています。                                                                            気の停滞による睡眠障害に                               羚羊角の薬効には「主明目、益気起陰、去惡血注下、辟蠱毒惡鬼不詳、安心氣常不魘寐」と記されており、「目が明らかに見えるようにして、元気を益(ま)し、陰すなわち生殖能力を奮起し、血の流れの滞りによって生じた悪血や、それが出血する注下の症状を除いて去り、虫を用いたまじないの蠱の毒気や、人に悪い働きをする毒気および悪気や、死人のたたりの鬼気や、その他の不詳不吉な毒気を避けさせる作用がある。                      また、心臓の働きや気持ちを安定させ、さらに、これを常に服用していると、魔森、すなわち、寝ていて悪夢にうなされると言ったことがなくなってくる。」現代的に解釈すると、身体の中をスムーズに流れている気がストレスによって停滞してしまい(オーバーヒートを起こす)、オーバーヒートの熱が身体のいたるところで悪さをしているという風に考えられます。オーバーヒートの熱は睡眠にも影響し、夜中に何度も途中覚醒するのも気の停滞によって起こるオーバーヒートの熱が原因なので羚羊角が良く効きます。

気の停滞と高血圧について ストレスによる睡眠不良がある人には高血圧症の方は強い関連があると考えられています。そのメカニズムは、ストレスによって肝気鬱結となり、肝鬱化火することで睡眠障害が強くなります。その結果、ノンレム睡眠に影響を及ぼし、成長ホルモンの分泌が悪くなります。                                    体の修復作業も悪くなり熟眠感も得られず、肉体的にも精神的にも悪影響が及び、さらにストレスがたまり血圧上昇(肝陽上亢)していくと思われます。                   羚羊角は肝陽上亢によって上昇した余分な気(熱)を冷まして、神経を安定させ熟眠感を得て血圧も安定させるというメカニズムが考えられます。

よって、羚羊角が効く方は、お年寄りや血虚の方の睡眠不良ではなく、体力はある方でストレスによって睡眠不良や高血圧になっているかに良く効くと思います。

健脳生薬としての羚羊角(れいようかく)        

日本人の高齢化が急ピッチで進んでいます。      そして“頭の健康”の問題がますますクローズアップされています。                     頭の健康が損なわれはじめた時に現れる特徴的な症状は「物忘れ」で、これには、生理的なものと病的なものの二種類があります。                  生理的な物忘れは「人の名前がなかなか出てこない」「夕べ食べたメニューが思い出せない」などが代表的なケースで、その原因は疲れやストレスとみられます。                                       一方、病的な物忘れはアルツハイマー型痴呆や脳血管性痴呆に代表され、「家族がわからなくなる」「食事したことを忘れる」などがこれに当てはまります。                “頭の健康”は、高齢者のみならず、社会全体の克服テーマです。頭を元気にする方法を一緒に考えてみましょう。人間の脳は100億個の神経細胞でできていて、その神経細胞の誕生や生存、成長に関わっているのが、神経成長因子(NGF)です。                 脳の働きを活発にするためには、脳神経細胞の保護(NGF産生促進)や血流を改善することが大切です。また、精神安定や疲労回復も効果的です。

脳の働きを良くする4つのポイント

 年々進む高齢化社会の中で、介護の制度や施設は徐々に充実してきました。とはいえ、老後もできるだけ自分の力で生活を維持できることが理想です。       特に、「認知症」は本人にとっても家族にとっても大きな負担になり、だれもが避けたいと思うのではないでしょうか。 

認知症という病名は中医学(中国漢方)にはないものですが、「健忘証」「鬱証」「不眠証」「呆証(判断力・思考力の低下)」など、認知障害として考え、予防・対応することができます。 
このような原因は、大きく分けて4つ考えられます。まず、血の流れが滞る「瘀血」の状態になると、脳への血流をさまたげることから、痴呆の症状につながります。         2つ目は、腎は脳の働きと深い関わりがあるため、腎の精が不足する「腎虚」の状態になると、脳の機能低下になりやすいです。                         3つ目は、脾胃が弱く全身の気血が不足する「脾気虚」があります。           4つ目はストレスなどが原因で気が滞る「肝鬱」の状態も、認知症の原因となります。 

脳の働きを良くするポイント                             ①脳神経細胞保護(NGF産生促進)                            20歳を超える頃から毎日10万個以上の脳神経細胞が死んでいくと言われています。    頭に外傷を負ったり、脳の血流が悪い場合はさらに脳神経細胞の死滅は早まります。    急激に脳神経細胞が減るアルツハイマー型痴呆に限らず、脳神経細胞を保護すること            が脳の老化を防ぐ第一歩と言えます。

②脳血流改善                                     脳神経細胞を保護し機能を活発化させるためには脳の血液循環を正常に保ち、十分な酸素  や栄養素を与えることも必要です。                          とくに脳梗塞や脳出血などで大脳皮質や海馬の血流量が不足すると物忘れしやすくなった  り、集中力が低下すると考えられます。

③鎮静                                        精神状態を整えて興奮を抑え、心を落ち着かせることで集中力を高めることができます。  ハーブによる鎮静効果でリラグゼーションし、集中力を高めることなどはその好例です。

④滋養強壮                                      ストレスや過労で疲れがたまると集中力が低下したり、物忘れしやすくなります。     滋養強壮により、全身の疲れを摂ると脳の働きも良くなります。

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