身体の中の質を治す漢方薬(小青竜湯・勝湿顆粒・健胃顆粒・五苓散…)
病理的な水分は、尿として体外へ
それは、水分の代謝はおもに肺・脾・腎の共同作用とする、中医学独特の考え方からくるものだ。 口から胃に入った水分は、脾(消化器系)で吸収され、肺へ運ばれて全身を潤し、一部は汗となり、やがて尿となって体外に排泄される。 つまり、肺・脾・腎を1つの代謝システムとしてとらえるわけである。肺の働きについては、説明の必要がある。 やかんのフタには穴が開いている。この穴をふさぐと、お湯の出は悪くなる。肺は体全体の水分代謝における、この穴の働きをしていると思ってもらえばよい。 肺の働きが良ければ、水分はスムーズに全身をめぐり、腎臓へ送られる。
以上のことから、病理的な水分が体内にたまって引き起こされる湿の病気に対して、中国漢方では代謝システム全体が治療の対象となる。
上半身の症状、頭重感や顔面部にむくみが顕著な場合は、システム上部の異常ととらえて肺から治療する。 小青竜湯などの漢方薬で肺の働きを改善すると、上部に停滞している水分は下に降りてくる。
胃のむかつき、食欲不振などの症状となって現れる脾胃(消化器系)の停水には、霍香正気散(かっこうしょうきさん)や健胃顆粒(香砂六君子湯)がよい。
小便の出が悪い、足が重い、下半身にむくみが目立つといった症状には、利尿作用の強い五苓散や、腎の働きを強める八味丸などを用いる。
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