腎の働きを強めて、冷えを改善
秋の終わりから春先までの時期は、アレルギー性喘息の発作に悩む人からの相談が多くなる。
症状を抑えるため、日本では小青竜湯(しょうせいりゅうとう)が知られており、私も良く使う。ただし、治療に当たっては、その人の体質にも目を向けなければならない。
中医学では、腎の働きの一つに、「命門の火(めいもんのひ)」という身体全体を温めるボイラーのようなものを想定しています。
腎の働きが悪くなると、この火も弱くなり、陽気の不足から身体全体の機能が落ちてくる。症状は、体質的に弱い部分からまず現れる。
呼吸器系の弱い人は、寒さに対しての肺の防衛力が低下し、喘息などの呼吸器系の病気を誘発しやすい。
治療法としては、肺を温めて気管支拡張作用のある薬を使うことで症状を抑えるとともに、腎の陽を補うことで腎陽虚(じんようきょ)の体質を根本的に改善することである。
根治治療としては、身体を温める作用をもった強壮剤の双料参茸丸(そうりょうさんじょうがん)が効果を上げます。
双料参茸丸の中には、人参や鹿茸(ろくじょう)などの代表的な補腎薬のほか、中国陸上陣の活力源として話題の冬虫夏草(とうちゅうかそう)も含まれています。
冬虫夏草はキノコの一種で、肺と腎を強める滋養強壮薬として、漢方では古くから使われてきました。
現代医学的な研究でも、感染防御作用・気管支拡張・免疫力強化・副腎皮質ホルモン様作用など幅広い作用が確認されています。