理論(キーワード)を知って漢方を理解しよう

人の身体を作る「気・血・津液(しんえき)」が滞ると病気になります。                    中医学では「気・血・津液」が人体を構成し、生理活動をを行う基本的物質とされ、病気になるのは「気・血・津液」のどれか、または複数のものが障害を受けたからと考えられています。                  「気」とは「気力」「気分」「元気」に使われるように、身体の元気さ、体温、血圧に当たる生理機能を整えたりして身体全体のエネルギー源になるもと考えられています。「血」は、全身の栄養でありながら全身に栄養を運び生き生きと潤す血液の事です。     また、しっかりとした考えや行動や睡眠を得るためにも血は必要です。          「津液」は、人体の中の正常な水液の事で、唾液、胃液、腸液、涙、汗、細胞液などを言います。                                         これらが各臓器で正常に作られたり使われたりして、身体の中をスムーズに巡ることが「健康体」であるという考え方です。

「気」は目には見えない生命の原動力!

中医学では、「気」「血」「津液(しんえき)」の3つの要素が、身体の健康を維持するための重要な要素だと考えます。

「気」は、目に見えない生命の基本的なエネルギーと考えます。元気・やる気、気力・根気・・・という言葉にも表れているように、身体を動かしたり行動を起こす大元の力になっています.。目には見えませんが体の隅々まで働いて、生命を支えるすべての原動力になっています。気は、体中を巡って、血や津液が隅々まで到達するのを先導して、成長や代謝を促しています。

「気」が不足すると・・・疲れやすい、体がだるい(生理時にだるさがひどくなる)、汗をかきやすい、食が細くてもたれやすいなどがあります。

「気」が滞ると・・・イライラして怒りっぽい、お腹が張ってゲップやガスが出やすい、生理不順などの症状が現れます。

「血」は精神を安定させます

「血(けつ)」は、狭い意味では血液の事を言いますが、広い意味では身体の臓器や組織に栄養と潤いを与える物質のことをさします。特に女性は「血」のトラブルと密接な関連があると言われています。また、不眠で悩んでいるお客様も増えてきました。中医学では五行でいう「心(しん)」の働きが落ちていると考えています。「心」を養う栄養物質に血や陰(津液)や気が充実していなけれなりません。これらが不足すると、眠りの異常(寝付きが悪い・夜中に目が覚める・夢が多い・朝起きられない)などの症状が起こりやすくなります。その他のどのような症状があるのでしょうか?

「血」が不足すると・・・めまい、立ちくらみ、爪が割れやすい、生理の異常

「血」が滞ると・・・肩こり、頭痛、腰痛、経血に塊が混じる、シミが多くなるなどの症状が現れてきます。

「津液」はただの水ではありません!

「津液(しんえき)」とは体内の水分のことです。細胞の中の水分、血液中の水分、胃液、涙、唾液、汗など体液にあたるものです。人の身体のは60%もの水分が含まれていて、健康を大きく左右しています。この水分によって人の身体は潤い、生命が営まれているのです。そして、水分の代謝やその異常がが身体に与える影響はとても大きいことが想像できますね。

「津液」が不足すると・・・のぼせやほてり、経血量が少なくなったり、便が硬くなったり便秘になったりします。

「津液」が滞ると・・・むくみや腫れの原因になります。津液は身体のどこにでも行けるので、色々な場所の不調の原因になりやすいです。関節リウマチ、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎など多くの現代病が、津液の停滞と関連していると言われています。

陰陽のバランスがポイントです!

中医学の目的は身体全体のバランスを整えて、病気にならない身体を作ることです。            そのバランスのキーワードの一つが「陰陽」です。  それを「陰陽学説」といい、自然界の存在するものすべては、陰と陽が存在し、その相互作用で成り立っていると考えられています。               陽は活動的なもの、上昇するもの、温かいもの、明るいものなどがあります。       陰は、落ち着いているもの、下降するもの、冷たいもの、暗いものなどを言います。    陽=良いもの、陰=悪いものという考え方ではなく、あくまで対象となるものと考えています。体調でいうと、例えば身体が熱くなるのは陽が盛んになった状態で、冷えるのは陰が盛んになった状態と考えます。                                いつも熱いと感じる人にはクールダウンする漢方薬を、冷える人には身体を温める漢方薬を処方し、陰と陽のバランスが取れるようにします。

中医学の健康観

中医学では健康についての特徴は「常に動いていること」と考えています。               人間の身体は、静止しているように見えても絶えず動いている・いつも同じように見えても一瞬として同じ状態ではないというのが中医学の考え方です。      じっとしているときも、身体の中では常に何かが動いているのです。この何かのスムーズな流れに異常が起きて、停滞したりつまったりすると病気が生じると考えます。               例えば、痛みや出血、むくみといった症状は「瘀血(おけつ)」や「水滞(すいたい)」と呼ばれる病気の状態と関係があり、血液や津液(しんえき:栄養のある水分)の流れが滞ることによって起きるとされています。

また、中医学独特の考えに「気」があります。血液や津液が体の中をスムーズに流れるのは、すべてこの「気」のおかげなのです。                         ですから、健康状態ではこの形のない「気」の流れも順調でなくてはいけません。     ストレスや強い感情の変動のよって「気」の滞りが起きます。これを「気滞(きたい)」とよんでいます。この気滞は、精神異常、張り、コリ、痛みなど、多くの病気や不快な症状が生じると考えています。

そしてこの「気滞」から、瘀血や水滞も生じるのです。                 日本でも昔から「病は気から」と言われています。最初にっ健康とは「常に動いている」と書きました。気も血も津液も常に動いていることが健康です。               これらの要素を動かすことと動かなくなる原因を探ることが、漢方薬であり普段からの養生なのです。             

その問題をさくら薬局で一緒に解決していきましょう。

自然界と人間の一体観

中医学の考えるもう一つのキーワードは、自然界と人間の一体観にあります。              「自然の中に人がいて、人の中に自然がある」とも言えます。これは人間が環境の影響を受けるということばかりでなく、自然界の中で通用している原理や法則が、人間の中にも通用すると考えているということです。  例えば、水は高いところから低いところに流れて熱を奪う性質があり、それは身体の中に入ってもやはり同じ性質を持っていると考えているのです。        体内でも余分な水は下方にたまり、浮腫が出やすいのは下肢であり、脚を上げるとむくみは軽くなるのです。こうした自然観は、自然界に様々な変化の周期があるように、人間のじ身体にも、周期的な変化があるという考えにつながっていきます。  

朝夕という一日の変化、月の満干みるような一か月の変化、春夏秋冬の一年の変化などがあります。こうした変化が身体に影響を与え、その時期に特有の性質が身体の中にも影響して、身体そのものが周期的に変化すると中医学では考えています。

中医学では、こうした自然界とともに変化する様々な人間の現象を大切に考えています。  病気にも1日の中でも変化があり、時間によっても症状の出る時間があります。      このような病状の変化や、体の変化を理解する考えが中医学にはあります。        同じように、1年の四季においてもそれぞれその季節特有の特徴と人間の体の中の変化を関連付けて考えることができます。                            そして、その季節に一番いい方法で生活できる方法が養生へとつながっていくのです。

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