疼痛(とうつう:痛み)について

「痛み」は他人にはわかりにくい症状です。     様々な病気の前触れとして、あるいは同時に、全身のどこでも、どんな年齢の方にも発症します。        現代人はパソコンやスマホを使った便利な生活、運動不足、肥満、ストレス、自然環境の悪化、食事のアンバランスなどが原因で頭痛、肩こり、神経痛、各種の関節痛、腰痛などをよく引き起こします。            鎮痛剤で、一時的に痛みを止めることはできますが、根本的な治療ではありませんので、その痛みを慢性化させている方も少なくありません。

中医学には3000年以上の歴史があり、痛みに対しても多くの治療法があります。      単なる痛み止めではありません。                            痛みが発症した季節、原因、痛みの性質と特徴、場所、体質、全身の状態などにより、総合的に分析し、それに合わせて身体全体の生理状態を調節し、体質を改善し、痛みを治します。

「貴方の痛み」を中医学で根本的に解消しましょう。

中医学的“痛み”の原因の捉え方

痛みの治療は西洋医学と中医学では違ってきます。  それは痛みの原因の捉え方やコントロールの仕方が大きく異なるからです。

西洋医学では、痛みを引き起こす物質を抑えたり、炎症を抑えて、痛みの感覚を麻痺させる薬が多く、まず安静にして体を休めることが基本です。

中医学では、痛みそのものに対してよりも、痛みを引き起こす原因に対して治療を行います。痛みの原因は大きく分けて2つあります。                       1つは体の中を流れる気(身体の基本物質であるエネルギー)血(栄養や滋潤作用があります)の流れが悪くなって起こります。

もう一つは、老化や長年の病気などによって身体や内蔵の機能が低下して、筋肉や器官、組織に栄養が行かずに起こります。     

流れを悪くするものには、風邪(ふうじゃ)・寒邪(かんじゃ)・湿邪(しつじゃ)・熱邪(ねつじゃ)などの外的要因と、身体の中にできた内生五邪(ないせいごじゃ)・痰飲(たんいん)・瘀血(おけつ)など内的原因があり、これらによって起こる痛みを実証タイプの痛みと言います。 老化や体質や、気や血の不足などによって起こる痛みを虚証タイプの痛みと言います。

痛みのふたつの原因を考える

中医学では痛みに対して、次のような考えがあります。「不通則痛(ふつうそくつう)」と「不栄則痛(ふえいそくつう)」という二大要因です。

「不通則痛(ふつうそくつう)」           これは、通じざれば則ち痛むという意味です。「通じざれば」とは、体の中を流れている気(エネルギー)や津液(水分)や血(血液)の流れが止まったり、滞ったりすることにより痛むということです。   例えば、気が滞ると、首筋が張ったりお腹が張ったりします。              血液の流れが滞ると、肩こりや頭痛、ひどくなると高血圧にもなります。女性なら生理前のPMSが強かったり生理痛も強くなります。                       そして、痛みの特徴は強い痛みや急性の痛みが特徴です。                痛みの原因が分かっていることが重要で、例えば、足を捻挫すると、即時に激痛が発生します。

「不栄則痛(ふえいそくつう)」                            これは、気や血が不足すると痛むということです。栄養や酸素が骨や筋肉に供給されなければ、じわじわ痛みます。                               不栄則痛の痛みが現れやすい人は、老化、体力の衰え、虚弱体質、慢性病などによって、身体にに必要な気血が不足している状態のときの現れやすいのです。             その痛みの特徴は、鈍い痛みや慢性的な痛みが特徴です。「不通則痛」の原因は分かっている場合が多いのですが、「不栄則痛」の痛みの原因は、はっきり分かっていない場合が多いのです。                                        痛みが発生するタイミングは、疲れた時、寝不足のときなど、体の体調が落ちている時に現れやすいと思います。

中医学では痛みを「虚実(きょじつ)」で分類することが基本ですが、不通則痛は「実」が原因で、不栄則痛は虚が原因です。                            虚と実では治療方法がまったく異なるので区別が必要です。               簡単な不通則痛と不栄則痛のメカニズムは下の図に表しました

不通則痛と不通則痛のメカニズム

“経絡のつまり”が痛みのメカニズム

気と血が流れ、臓器と臓腑、あるいは臓腑と器官、皮膚などを繋いでいる流れ道を「経絡(けいらく)」と言います。                       この内太い流れを「経脈(けいみゃく)」、末端の枝分かれした細い流れを「絡脈(らくみゃく)」と呼びます。 経脈の流れが悪くなると“痛み”の症状が、絡脈の流れが悪くなると“しびれ”の症状が表れると考えています。この経絡上にあるのがハリやお灸で有名なツボです。                                  この痛みやしびれの症状を「痺証(ひしょう)」といいます。“痺(ひ)”には「つまって通じない」という意味があります。

人間の体は絶えず自然界の影響を受けていると考えています。             風・湿気・暑さ・乾燥・寒さ・熱などの自然界の変化にうまく対応できなくなると、これらの外的要因(外邪)が経絡につまりを引き起こし、痛み・しびれが生じると考えています。   6つあるので「六淫の邪(ろくいんのじゃ)」といいます。                また、体の外からだけではなく、臓腑の障害や生活習慣によって身体の中に生じる邪もあり(内風・内寒・内湿・内燥・内熱)もあり、これらもしびれ・痛みの原因となります。    5つあるので内生五邪(ないせいごじゃ)といいます。                  その他に体の中の気・血・津液(体の中の必要な水分)、精(生命の基本物質)の不足によって、栄養が巡らずに起こる痛み・しびれもあります。

経絡のつまりが痛みの基本原因

独歩丸でリウマチや関節痛・痺れを改善

寒邪や湿邪が気血の流れを悪くして痛みの原因に        中国漢方がよくわかる本 路 京華著から

中国漢方では、気温・湿度・気圧といった気候変化や天体の運行と、病気の発病や悪化の原因を調べる、いわゆる気象医学の研究が盛んである。          それによると、心臓病、喘息、リウマチなどの疾患は、特に気象の影響を受けやすいとされている。                      漢方では、神経痛やリウマチなどの疾患を総称して「痺証(ひしょう)」という。この“痺”とは、「つまって通じない」という意味である。体が虚弱になると、虚に乗じて寒さや湿気などの外邪が体内に入り込み、気血の流れを阻害して、痺証を引き起こすと考えている。    これらの寒さや湿気などにより邪気を除去して、気血のつまりを通して、足腰や背中の痛み、関節痛、下肢の痺れなどを改善してくれ生薬の一つに「独活(どっかつ)」がある。栽培山菜として食卓にのぼるウドのことだ。                           日本には「ウドの大木」という言い方があり、役に立たないものの代名詞のように言われるが、薬用としては、なかなかどうして有用な植物で、根茎部は古くから漢方薬として用いられている。                                      この独活を主薬とする漢方処方に、独活寄生湯(どっかつきせいとう)がある。中国唐代の古典「千金要方」に記載があり、寒邪や湿邪を取り除く独活・秦艽(じんぎょう)・防風に、腎を補って足腰を丈夫にする桑寄生(そうきせい)・牛膝(ごしつ)・杜仲、補気補血作用のある党参・当帰など、袪邪薬(きょじゃ:邪気を取り除く)と扶正薬(ふせいやく:正気を助ける)がバランスよく配合された名処方である。日本では独歩丸という名前で輸入されている。

*独歩丸は現在イスクラ独歩顆粒という名前で販売されています。

独歩顆粒は扶正袪邪(ふせいきょじゃ)する漢方薬です

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