楊貴妃が使用した女性の秘薬 補血の生薬としてとても有名です。炙甘草湯(しゃかんぞうとう)、猪苓湯(ちょれいとう)、婦宝当帰膠((ふほうとうきこう)に使われています。 動物性生薬で、ウマ科のロバの皮を、毛を取り除いてからよく煮て膠(にかわ)の塊にしたもの。 表面が黒色で滑らかで光沢があり、透明で質は堅いがもろくて砕けやすい。 臭いは微弱で、味はかすかに甘く、生臭くなく、夏を過ぎても和らかくならないものが良品とされます。 産地は山東省(さんとうしょう:もっとも有名)と浙江省(せっこうしょう)ですが、もともと山東省阿県(あけん)に湧く井戸水でロバの皮を煮たものが非常に品質が良かったので「阿膠」と名付けられたのです。 日本では代用として局方ゼラチンがしばしば用いられますが、ゼラチンは動物の骨や皮膚などをアルカリで処理した粗コラーゲンから加熱処理したもので、品質は良くありません。 生薬の性味は甘・平。血を補い、冷やし潤す力を補充する作用があります。⇒補血・滋陰・潤燥・止血・化痰清肺があります。 月経不順、閉経、喀血、吐血、尿血、痔出血、便血、妊娠下血に用いられます。
「阿膠(あきょう)」を使用している方剤
・温経湯(うんけいとう) ・芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう) ・炙甘草湯(しゃかんぞうとう) ・猪苓湯(ちょれいとう) ・婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)