「血」を補いましょう。 出やすい症状 めまいや立ちくらみ、乾燥や痒みなどの肌トラブル、 白髪や抜け毛などの髪トラブル、生理不順、不妊症などの婦人科のトラブルも起こりやすい。 他に、目の疲れ、手足のしびれ、不眠、息切れ、不整脈のなどの心臓疾患も現れやすくなる。
舌の状態 他の舌よりも小さめの大きさ、全体的に淡い色をしている、舌の苔はうっすらある。
対策 補血(血を補う) おすすめの食材 レバー、鶏肉、地鶏、うずら卵、黒米、黒豆、プルーンなどの黒色の食材。人参、トマト、棗などの赤色の食材。かき、ればー、ほうれん草などの補血食材。ほうじ茶、紅茶など
避けたり、控えたい食材 冷たいもの、生もの、脂っぽいもの、チョコレート、甘いもの、刺激の強い食材(唐辛子、わさびなど)を摂り過ぎない
無理なダイエットが血の不足を招く 健やか中医学入門編 劉 伶著文芸社
私が日本に来て驚いたのは、痩せたい一心で、リンゴやヨーグルトしか食べないという女性がたくさんいる事でした。たしかに、摂取カロリーを抑えれば痩せられることでしょう。 でも、それは果たしてダイエットに成功したことになるでしょうか。私から見ると、日本の女性はダイエットに関してちょっと考え違いをしているような気がします。 脂肪を十分燃やすためには、内臓の働きをしっかりとさせ、代謝を活発にさせ、筋力もつけなければなりません。そのためには、身体に必要なものをきちんと食べることが大切です。 偏った食生活による影響は、単なる血の不足だけにとどまりません。内臓や皮膚、筋肉などの組織にも影響を与えて、様々な病気を作り出す元となってしまいます。
血の不足を改善するための食生活術 では、血の不足を予防し改善するためには、どんな食生活が必要なのでしょうか? 基本は、やはりバランスよく何でも食べることです。 そのうえで、、血を補う作用を持つ枸杞の実、黒ゴマ、黒砂糖、ほうれん草、小松菜、人参、ナス(皮のまま)、レバー、鶏肉、小豆、金針菜(きんしんさい)などを適度に摂り入れることが大切です。 なお、血虚の治療には、血を補う作用の強い「当帰(とうき)」という生薬が良く用いられます。 日本で手に入れやすいのは、「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」というシロップ剤です。 甘くてクセも強くないので、紅茶などの入れて飲むといった使い方もできます。
様々な病気の原因に 血虚の状態になると、肌に潤いや艶がない、髪の毛が細くなりやすい、爪がもろい、目がかすむ、立ちくらみがする、手足がしびれるなどの症状が現れます。 また、ホルモンのバランスが崩れやすく、女性の場合は生理不順、無月経などになりやすくなります。
タイプ別・貧血の養生法 中医学には、「女子は血を以(もっ)て本となす」という言葉があるほど、女性にとって「血」は大切なものです。毎日の食事は、貧血予防の大切なポイント。 「主な症状」を参考に自分にあった食養生を知り、血不足の改善をめざしましょう。
1)疲労や立ちくらみ「体内の栄養不足」タイプ 臓器や細胞に栄養が届かず、様々な不調が現れる 豊富な栄養素を持つ「血」は、全身を巡って臓器や細胞に栄養を届けています。 中医学では、これを血の「栄養機能」といいますが、血が不足してこの働きが低下すると、疲労や立ちくらみ、動悸、息切れなどの症状が現れます。また、血には身体を温める働きもあるため、冷えの症状を感じることもあります。 緑黄色野菜や黒色の食材を積極的に摂って、足りない血を補うよう心がけましょう。
・食の養生 緑黄色野菜多甘みのあるもの、黒いものを中心に ・ナツメ・黒ゴマ・鮭・枸杞の実・黒砂糖・ぶどう・落花生(薄皮も一緒に)・レバー・大豆 ・人参・鶏肉・きなこ・ほうれん草・豚肉
2)乾燥が気になる「潤い不足」タイプ 肌や髪の乾燥が気に合ったら要注意 「血」には体内を潤す成分が多く含まれているため、血が十分にあれば身体を内側から潤すことができます。反対に、血が足りなくなると潤いも不足し、皮膚や目の乾燥、髪のパサつきなどが気になるようになります。 みずみずしい肌や髪を保つためにも日頃の食生活に気を配り、身体の潤いをしっかり守りましょう。
・食の養生 血を補う食材に加え、潤い効果の高い食材を積極的に ・白きくらげ・いちご・オリーブオイル・バナナ・海藻類・豚足・りんご・豆腐・手羽先・桃 ・卵・蜂蜜・キウイ
3)不眠や落ち込み「情緒不安定」タイプ 精神的な症状も「血」の不足が原因になります 「陰」の要素である「血」は、イライラやストレスを静めて精神を安静にする働きがあります。 そのため、体内の血が不足するとストレスの影響を受けやすくなり、情緒が不安定になったり、睡眠障害に悩まされたりすることも多いです。 足りない血を補いながら、ストレスを上手に発散できるよう香りのよい花茶などで気分をリラックスさせましょう。
バランスの良い食事が貧血予防のカギ かつて食生活がそれほど豊かでなかった時代には「栄養をしっかりとらないと!」という意識が日常にあり、食事にも自然と気配りがありました。 ところが、生活が豊かになると栄養に対する意識は薄れ、好きなものを好きなだけ食べる、という食生活が増えているように感じます。 食の豊かな現代に貧血が増えているのは、こうした食生活の偏りが一番の原因です。 過度なダイエットも貧血を招く大きな要因となるので注意が必要です。毎日を健康に過ごすためにも、まずは普段の食事を見直して、バランスよく栄養を摂るよう心がけましょう。
中医学では、女性の健康は血(けつ)と密接な関係があると考えます。 女性は、月経・妊娠・出産・授乳・更年期などにより血が不足しがちになります。 血の量が不足する(血虚)と、血色が悪くなり、顔色は青白く、爪の色も薄く、爪が割れやすくなります。また、皮膚や頭髪はツヤを失い、指先がささくれたりかかとがひび割れたりします。 また、血が不足すると流れが滞り、血行不良(瘀血)を引き起こします。女性の諸症状は、こうした血の不足や血行不良などが主な原因と考えられます。