痛み止めだけでは治らない体力低下・年齢からくる痛みはどう治す?
関節が痛い!腰が痛い!足が痛い! こんな悩みが解消されれば、毎日の生活がどれくらい楽しくなることか・・・。 打ち身やねん挫などの時は「痛み止め」も有効ですが、慢性化する痛みにはこれだけでは不十分です。 身体が病気で弱ったり関節が年齢のため弱くなったりすると、体重を支えきれなくなり痛みが現れます。 こんな時は筋骨や筋肉に栄養を与えて強くする必要があります。
キーワードは「骨」「肉」「筋」「血」の4つです。 中医学では足腰の弱りを「腎」の衰えと考えます。 弱りのサインとして、痛みより先に「だるさ」を感じることがあります。 中医学の知恵を生かしていつまでも自分で歩ける足腰を作りましょう。 年齢とともにこれらの部分に問題が起こりやすくなるため、4つのポイントをチェックして早めに対策を取りましょう。
中医学では「痛み」という症状には、大きく2つの原因があると考えています。
一つ目は「不通則痛(ふつうそくつう)」と言って、気血の流れが滞った時に痛みが発症します。 例えば、冷たい風に当たったり、寒くて冷えたり、湿度が高い曇りの日や雨の日に血行不良(瘀血)により、代謝障害が起き痛みを引き起こします。
二つ目は、「不栄則痛(ふえいそくつう)」と言って、虚弱体質、慢性病や老化によって血虚(血液不足)・気虚(エネルギー不足)・肝腎虚(ホルモン系が弱い)などは、抵抗力を弱め代謝障害の要因となります。これによって、組織や細胞への栄養補給が閉ざされると痛みが起きてきます。
痛み退治には「通絡」を整えましょう(上の図の説明)
経絡は、社会でいうと道路です。道路に不備があって物流が滞ると、社会がうまく機能しません。 同様に、経絡に不備があると気血が滞り、人体がうまく機能せず、様々な痛みが発生します。 物流の回復に道路の整備が大切なように、気血の流れを回復させるポイントは経絡です。
『痛み』の改善と予防には
老化からくる足腰の弱りや慢性的な痛みには「腎」を補う漢方薬を使います(補腎剤)。 また、「瘀血(おけつ=血液の流れの悪さや血管の老化)」や「痰飲(たんいん=水分代謝異常により水が溜まる)」が関係している場合は、活血薬(かっけつやく=血液の流れを良くする)や化痰利湿薬(かたんりしつやく=水裁きを良くする)等を用いるなど、中医学では今の身体の状態に合わせて根本的な対策をとることができ、痛みの改善や予防が可能となります。